あたしの好きな人は


学校の先生です








先生とたし









「たーくんせんせっ」


忠「なあー、その呼び方ってどうなんー?汗」


「可愛いあだ名でしょー?w」


忠「あだ名ってしか呼んでないやんー;笑」


「いいのーっ!」




高校3年の始業式


毎年のごとく新しく赴任してきた先生が何人かいた




その中にいたのが英語科の大倉忠義先生


大学を卒業したばかりの22歳、しかも長身で整った顔



あたしは大倉先生に一目惚れした



先生と仲良くなるために英語係にもなったし、休み時間の度に先生のいる英語科準備室にも通った


先生は普段はやる気なさそうな感じだけど授業になるとすごい一生懸命で。



あたしは日に日に大倉先生のことを好きになっていった



「たーくんせんせ、」


忠「んー?」


「いっこ質問してもいい?」


忠「ええよー」


「たーくんせんせはどんな女の人が好き?」


忠「え、勉強のことちゃうん?」


「いいから答えてっ」



準備室のソファーに寝転んでる大倉先生


大倉先生は んー、て眉間にしわをよせた



忠「せやなあ、俺は大人な女が好き。あ、できればセクシーめな人がええな 笑」


「…っ、そうなんだっ」



目を閉じながら満足そうに笑ってる先生


きっと頭の中でタイプの大人の女性を描いてるんだろう



年下のあたしの前で大人な人が好きって言うことはあたしは眼中にないってこと



あたしは胸がきゅって潰されるような気がして、急いで英語科の準備室を出た







それから午後の授業も終わって放課後


帰ろうと昇降口に行って外に出るとポツポツ雨が降りだした



あたしのかわりに神様が泣いてくれてるのかな?




空を見上げると厚い雲にどんどん覆われてきて


気が付いたら空が真っ黒になってしまった



今日は天気予報で雨は降らないって言ってたから傘持ってきてないのに



他の生徒も傘がないみたいでカバンで頭に雨がかからないようにしながら走って帰っていく


あたしは雨が止むまで昇降口で待つことにした








忠「ちょっと、、ー?」


「ん、、?」



肩を叩かれて目が覚めた


あたしは昇降口で眠っていたみたい



「え?なんでたーくんせんせがいるの?」


忠「俺今日日直やねん、校内の鍵閉めせんとあかんくて昇降口来たら寝てるから」



携帯で時間を確認するともう午後9時


外の雨ももう止んでいた



「じゃああたし帰るねっ」


忠「え?」


「もう雨止んだしさっ!」


忠「こんな時間に女の子が一人で帰ったら危ないって、送ってくから」


「でも、、」


忠「あと1階の鍵閉めあるからもうちょい待ってもらわなあかんけど」


「じゃああたしも手伝うっ」


忠「おう、ほな行くでー」



あたしは自分のローファーを持って立ち上がった


昇降口の鍵閉めをしてパチッて先生が電気を消す




真っ暗な昇降口


なんかどきどきしてる自分がいて
(漫画のようにキスとかなんて絶対ないのに)



先生が懐中電灯をつけるとその光の横に立って歩き出した



それからどんどんクラスの鍵閉めをして最後のクラス




忠「あー めんどくさー」


「もうちょっとじゃんっ」


忠「せやなー」




その声と同時に手が誰かの手に握られる感触


真っ暗な教室の中だから全然見えないけど、多分先生の手




「せんせ、、?」


忠「なに」


「こうゆうの他の先生に見られたら大変なんじゃないの?」


忠「今は校内には俺ら以外誰もおれへんもん」


「、、」


忠「が迷子なったら大変やからな」


「うん、、、」




先生の大きな手に包まれてるあたしの手


理由が何だろうと嬉しいことに変わりはなくて



どきどきどきどき


あたしの心臓の音がこの静かな空間のせいで先生に聞こえてしまうんじゃないかって、ちょっと恥ずかしくなった




忠「よし、最後の教室も終わったし帰るか」


「うん、、」




先生の懐中電灯が前を照らしてるだけの静かで真っ暗な廊下を2人で手を繋ぎながら歩く



あたしよりも1歩前を歩く先生に手を引かれるように歩いて


ちょっと歩くと職員室に着いた




先生は懐中電灯を机に置いて車のキーをポケットに入れた


それからまたあたしの手を引いて職員室玄関に向かった



靴を履いて外に出ると先生が車の方にあたしを連れていって助手席に乗せてくれた



「おじゃまします、」


忠「どうぞー あ、ん家分からんから教えて」


「うん」



あたしが家を説明すると 了解って一言言って車を走らせた


結構きれいな先生の車


車に乗れたことが特別みたいで嬉しかった




「あたしなんか車に乗せちゃって大丈夫?」


忠「何がー?」


「いや、彼女さんとか、」


忠「俺彼女おれへんし 笑」




車を運転する先生の横顔


やっぱり横顔もカッコいいなんて思ってしまう




「そうなんだー じゃあ大人な感じの彼女早くできるといいね」


忠「あ、それ嘘」


「え?」


忠「別に大人な女とか好きやないし」


「え?」




忠「俺が好きなんは、お前」




「………え、、?」




それから信号で止まると先生はあたしの肩を抱き寄せて甘いキスをしてきた




忠「も俺のこと好きやろ?」




ニッて笑ってまた車を走らせる


なんだ、あたしが先生のこと好きなのってバレてたんだ



「……うん…好き////」



一気に恥ずかしさが込み上げてきて、両手で顔を覆った



忠「さ、英語科準備室でタイプのこととか聞いたらあかんて 他の先生もおるんに」


「そっか……//」


忠「俺ら付き合うてるんやないかって既に他の先生にマークされてんねんから」


「え、そうなの?」


忠「そらが休み時間の度に俺のとこ来たらそう思うやろ」


「そっか//」


忠「はい、着いたで」




あっという間に着いてしまったあたしの家


あたしはまだ離れたくなくて先生の手をそっと握った




忠「なん、まだ帰りたくないん?」


「うん//」


忠「けどもう10時やで?今日はこれで我慢しとき」


「ん……、、」




先生はあたしの頬に手を置いて深いキスをしてきた



先生の舌が入ってきて溶けそうな熱いキス




「………んっ、、」


忠「そんな甘い声出さんといて 我慢できんくなる」


「あたし、先生とだったらいいよ…?」


忠「それは次のお楽しみにしとく ほらご両親も心配しとるやろ、帰り?」


「うん……」



あたしが車から降りると助手席の窓が開いた



忠「ほら、そんな顔すんなって ほな明日な」


「うん、先生大好き」


忠「俺も」


「おやすみなさい」


忠「おやすみ、




あたしを下の名前で呼んだあと、先生はまた満足そうに笑った




あたしが家に入るまで先生はずっと止まって待っててくれて


家に入ってドアを閉めると先生の車が走り出す音がした







あたしの恋人は



学校の先生です







***あとがき****

大倉短編が少ないことに気付いたので作ってみました!
駄文ですみません(>_<)

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