雨上がりの少し湿った空気。
月はまだ雲に隠れていた。
ほら誰も見ていないから。
誘惑ゼアロット
「遅いよ。」
マンション下の公園。
振り向くと君が
少し頬を膨らまして
ベンチに座っていた。
「いつから待ってたん。」
「んー、一時間ぐらい前。」
「鍵は。」
「忘れてきちゃった。」
そう言う君は
ふにゃりと笑う。
「自業自得やんけ。」
と、
ベンチから立ち上がり
俺のそばに来た君の
頭を撫でると
「でも公園って楽しい。」
なんて無邪気な笑顔。
俺の胸に寄せる頬。
君の匂いが鼻を掠める。
「あほやな…。」
君の笑顔とか
唇とか声やとか、
匂い、体温、感触、
仕草、からだ、全て
俺の心は君で鳴る。
「な、。」
「ん?どしたの?」
「我慢できひんねんけど、」
そっと君の背中に
手を入れる。
触れば触るほど
理性なんか崩れるのに
抑える気なんか更々無い。
「りょ、ここ外…」
「わかってる」
なんて言いながら
首に腕を回す君も
どうかと思うけど
そんなところが愛しくて
仕方ない。
壊したい。
服の中でホックを外して
君の柔らかいところを
優しく手で包み込む。
敏感な君は早速息をあげる。
「やらしー声。」
耳元で囁くと跳ねる体が
可愛らしくて
俺の心臓が跳ねた。
「あ、あんっ」
「あんま声出すなよ。」
「ん、りょうっ」
「ん?」
「はぁ、ちゅー、してっ?」
君のお望み通り。
甘く深く口付けると
とろりと溶けるように
思考が揺れる。
口付けのせいか
声を上げなくなった彼女は
少し苦しそうに
顔を歪めた。
そんな表情されたら
余計激しくなるのに、
余計苦しくなるのに。
唇をゆっくりと離すと
ふたりの間をきらりと
糸が繋いだ。
片手をゆっくりと
下に下ろしスカートの中に
手を入れる。
「ん、やぁ」
「恥ずかしい?」
「うん…」
「かわいい…」
下着の上からクリを触ると
急に声が高くなる。
「ここ好きなん?」
「ひゃ、やぁっ、あん」
「エッチやな。めっちゃ濡れてる。」
触れば触るほど
指先は下着に染み付く
濡れた感触を感じる。
恥ずかしそうに首を
横に振る君。
ひとつひとつの反応が
俺を欲情させていく。
「びしょびしょやで、ここ。」
「あっ、んぁ…はぁ、やぁっ」
喘ぐ君の下着に手をかけ
膝の下辺りまで
下ろしてやる。
そばにあったベンチに
君を座らせると
その前に跪き
膝を押して君の足を
恥ずかしいぐらいに開いた。
「きゃ、や、りょう…恥ずかしい、」
そう言う君の足の間に
顔を埋めると
濡れて艶を帯びる
そこに舌を這わす。
「や、あんっ、あぁっ、やぁっ」
「ん、」
ぴちゃぴちゃと
耳に纏わりつくような
音を残し
全て舐めとりたいと
隅々まで舐め上げる。
「はぁ、ああんっ、ひゃ…あぁっ」
「ん、ん…ふ…はぁ、」
「やんっ、あ、あんっ」
「ん…ん、」
誰もいない公園。
月さえも隠れて。
静まり返った夜に
ただ卑猥な音と
喘ぎ声、吐息だけが響く。
「はぁ…入れんで。」
耐えきれなくなり
ベルトを外す俺。
「ん、はぁ。」
君の吐く息は
じとっとした空気に溶ける。
ベンチに座り
隣の君を抱きかかえると
向かい合わせで
自分の膝に乗せた。
「ん、来てや。」
「りょお…、んっ…あぁっ」
既にはちきれそうに
膨れたそれ。
ゴムをつけたあと
君は跨る。
奥に入ると共に
圧迫感からか君は
苦しそうな声をあげた。
「はぁ、っ…う。」
「あっ、あっ、んぁっ」
膝をベンチにつき
体を自ら上下させる君。
「淫乱やな、っ…く、はぁ」
「あんっ、淫乱じゃ…っ、ないっ」
「腰、っ…揺れてる」
「はぁ、あっ、気持ちいん、だもん」
吐息混じりの声。
突き上げる度変わる声色。
暗くてもわかる
赤く染まった頬。
ぐちゅぐちゅと
結合部から聞こえる音。
全てが俺らを
もっと激しく愛し合わせる要素で。
「あっ、りょ…イっちゃう、っ」
「はぁ…っ、」
「やん、あっ、あっ…あぁんっ!」
「く…あぁっ」
君の手が俺の服を
ぎゅうと強く掴み
俺をくわえ込むそこが
離れないで、と言わんばかりに
強く俺を締め付ける。
理性の中に俺は
欲望を吐き出し
君を強く強く抱きしめた。
……………
「ばっかじゃない。」
服の乱れを直した君は
そう呟いて俺を見上げる。
「ノリノリやったくせに。」
なんてニヤリと笑って
みせると恥ずかしそうにしつつ
脇腹を軽くど突かれた。
「変態亮ちゃん。」
「変態ちゃん。」
自然と繋がれた手。
しっかりと絡ませると
目の前に建つ
マンションに向かって
歩き出す。
それから数十分後、
俺の部屋がピンク色な空気に
包まれたのはまた別の話。
end.
……………………………………
(c)Mai NoraKura
読んでくれてありがとうございます。
→ランクリする!
→感想も書いてみる!