それは去年の12月の話。






「おまえのことロックオンしたったから覚悟しぃーや。」




『は?!てか誰!?』




「伊呂波高校2年5組村上信五!!!覚えとって!」









うちらの出会いは
こんな感じ。



(ロマンチックなことなんかひとつもない!)













*おまえのこと
 ロック
ンしたったから
 覚悟しぃーや


















暑い、暑い夏。

いつものファミレスで
いつもの苺パフェ。






目の前にいるのは、

これまたいつもと変わらず
八重歯を見せてかわいく笑う男の子。









「ほんでな?そんときすばるが教室入って来よんねん!!」



『ふーん…(今日練乳少ないな…)』



「めっちゃタイミング悪ない?あいつ空気読まれへんのかなぁ」








そしていつもと変わらない
マシンガントークを聞きながら

うちは少しずつ、君に
恋心を覚える。









『なぁ、信五…』



「ん?何や?俺のこと好きなったか?」



『……うっとうしい。』








出会いが出会いだけに
今さら、好き、だなんて

死んでも言いたくない。

(墓場まで持っていこう。)









「でも嫌いちゃうやろ?俺のこと」




目を細めて笑う君は
自信ありげにうちを見た。









そこが、好き。
『別に、普通。』









「俺、と、こない仲良くなれると思わんかったわー。」



奇跡やなー、って
うちのパフェを一口。




奇跡、って
自分が無理矢理誘ってたから
いつの間にか日課になっただけやんか。






おもしろい人だ、と
つくづく思う。

信五も、友達も。

(すばるとヨコって人、会ってみたい。)









『うち、すばるとヨコって人に会ってみたい。』




「は?!あかん!それはあかん!!」




『何でなん?むっちゃおもろい人らやん。』




「絶対アイツらお前に手ぇ出すもん!あかん!!は俺のもんや。」








必死で恥ずかしいこと
口走ってる…。

こっちが恥ずかしくなるやん。








『わ、かった…から、声抑えて…』




なだめるといつもの笑顔。
やっぱり、おもしろい。








そこが好きなんだな、って
自然と納得してしまった

(これは重症?)












きっと君は
うちが君のこと大好きなの
知ってるんやろうな。








だから、笑ってられるんや
こんな風に。









『なぁ、信五?』




「なんや?」









もっと、もっと
笑顔になるかな?









『おまえのことロックオンしたったから覚悟しぃーや?』









そう言って
ニヤ、と笑ってみせる。




なんとも、わからないような顔をした

君の胸倉を
掴んで引き寄せて


唇を重ねてみた。















(こうすれば繋いでおく(=Rock on)ことなんか簡単。)








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