真っ白な部屋は
心地がいい。
窓の外では
琥珀色の満月が
万華鏡の如く輝いていた。
朝を迎えるまでに
いくつ同じ空気を吸えるかな?
静かすぎて
耳が痛いよ。
違う音が
重なって響く。
左手の薬指は
幸せを彩る。
明日は、今日を
終わらせる為にある。
日が昇るまで
ここで休憩しよう。
らぶ★らいふ
真っ青な時間をまたいで
聞こえてきた鼓動は
わたしのとは違う音。
そっと目を開けると
亮の体がそこにある。
細い腕に抱きしめられて
あたしはまだ夢見心地。
顔を上げると
長いまつげが微かに揺れた。
「おはよう…」
小さく呟いて、
亮を起こさないように
ゆっくり起き上がろうとする。
でも思っていたより
腰に回った腕の力は強い。
亮の息遣いと
心臓の音が規則的に重なる。
まだ、ここから
出たくないな。
そう思ったけど
腕を少しずつ解きながら
体を離した。
綺麗に整った顔に
お揃いの左手の薬指にある指輪。
まだ時間があるから
もう少し眠っててね?
適当に服を着て
キッチンに向かう。
………………………
………………
………
朝ごはんを
テーブルに並べる。
温かいうちに
亮を起こさないと。
寝室に戻ると
寝息が聞こえる。
かわいそうだけど
あたしはベッドに軽く乗って
亮の肩を揺すった。
「りょう…りょう、朝やで」
「ん、んぅー…」
「起きなご飯冷めてまう…」
「ん、おきる…」
と、腕を引かれて
亮の胸に前のめりに倒れ込んだ。
「ちょっ、りょう!」
「ははっ、おはよう」
「…おはよ…」
慣れない朝の挨拶。
始まったばかりの新婚生活。
「ちゅーしてや」
「はい、ちゅー」
まだまだ恋人気分だけど
それでもいいかな?
テーブルに
向かい合わせに座る。
白いテーブルは
ふたりのお気に入り。
「いただきます」
きちんと手を
合わせた亮に続いて
あたしも手を合わす。
おいしそうに
食べてくれるから
頑張れるんだよ?
「ごちそうさま、うまかったで」
あたしの髪を
クシャっとしながら
食器を運ぶ亮に口元が綻ぶのを感じる。
「うちが直す」
亮の服の裾を掴んだら
振り返ってキスされた。
「えーの、奥さんは座っとき?」
「はい」としか返事が出来ず
ちょこんとイスに座ると
「やっぱ寂しいからついてきて」
なんて、
亮はあたしの心をいちいち鳴らすみたい。
もう、亮が家を出ないと
いけない時間になって
あたしはなんとなく不機嫌。
「ほな、行ってくるわ」
「亮、忘れものしてへん?」
「うん」
「今日は何時に帰れそう?」
「7時ぐらいやな…帰るとき電話するわ」
「亮…」
「ん、行ってらっしゃいのちゅーは?」
「ん、」
背伸びをして
亮の柔らかい唇に
あたしの唇を重ねる。
「行ってきます」
「……行ってらっしゃい…」
ムスッと言った
あたしに
「アホ(笑)」
もう一回キスをして
玄関を出た亮。
ほらね、もう寂しい。
もう会いたいんだよ。
「亮!」
「ん?」
玄関を開けて
外に出ると先に見える背中。
少し遠くなった亮に
ゴミ袋片手に言う。
「ゴミ…捨ててきて?」
ワガママなあたしに
呆れないでね?
優しい顔をして
戻ってきてくれた亮に
ゴミ袋とキスをプレゼント。
「遅刻するわ(笑)」
「男なら働いてきなさい…(笑)」
「お前のせいやろ(笑)」
「ちゅう。」
「ん」
優しいキスの後
少し駆け足で
駅に向かった亮を見送る。
さっきよりは
寂しくないかも。
だって
亮が駆け足で帰ってきてくれそうなんだもん。
end.
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のらくらまい 20100914
残業と休日出勤に追われ、
また前のサイトからの更新となりました。
しばらく仕事が大変な時期が続くので、
更新が遅くなってしまうかもしれませんが
これからも応援よろしくお願いします。
私はとりあえずアルバムを楽しみに
仕事をがんばりたいと思います、はい。
そしてツアーも当たればいいんですが…。
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